1年の中でも最もモバイル通信会社の新規契約や乗換え(MNP)が活発になる時期ですが、今回は特に乗換え(MNP)に焦点を当てて、事前に必要な準備や注意点などをまとめてみたいと思います。

実際に乗換えを実施してみると、思っていた以上に準備に時間がかかったり、勘違いや見落とし等の盲点も存在するので、無事に希望する通信会社へ乗り換えられるよう初心者さん向けに解説したいと思います。

今回はあくまで「MNPのための準備」に重点を置いていますので、プラン内容やお勧めのMVNOなどには言及しておりませんので、あらかじめご了承ください。

 

MNPとは?そのメリットとは

MNPとは、Mobile Number Portabilityの略で、日本語だと「携帯電話番号持ち運び制度」と言います。

その意味は、読んで字のごとく「携帯電話の契約を他社へ乗り換える際に携帯電話番号を持って移動できる事」という事で、通信会社を跨いで同じ電話番号をずっと使い続けられる制度です。

MNPのメリットは、通信会社を変更しても電話番号が変わらずに利用できる事です。

MNP制度が始まる前は、通信会社を移る際には電話番号が変わってしまい、いちいち知人・友人に新たな電話番号を知らせたり、様々な電話番号登録を変更しなければならず、非常に不便でした。

 

時々誤解されている方がいますが、MNPはあくまで「電話」番号を持ち運べる制度であり、データ専用SIMなどの電話機能が付いていない契約の場合の「090-***-***」等の番号は電話番号ではないため、持ち運べません。

他社でデータSIMを契約するごとに新規契約となります(同じ番号は使えません)。

 

大手キャリアからMNP制度を利用してMVNOへ乗り換える際には、大手キャリアが設定した更新期間内に手続きを完了させる必要があります。更新期間は、契約から25か月目の1日目を更新日、25か月目~26か月目(つまり次の2年契約の1~2か月目)を「更新月」と定め、この2か月間であれば「解約金」の発生なしに他社へMNPできるルールとなっています

ただし、昨今では料金は割高になりますが、解約金が発生しないプランも用意されており、その場合には実施時期に関係なく解約金の発生はありません。

 

MNPは「MNP予約番号」という「番号」を現在利用中の通信会社で取得し、それを新たな乗換え先の通信会社に知らせる(申し込み時に記載する)事で、新たな通信会社でも同じ電話番号を使い続ける事ができます。

詳細については後述しますが、この「MNP予約番号」には15日間という有効期限があり、予約番号を取得してから様々な準備を行っていたのでは有効期限を過ぎてしまう可能性があるため、本稿では、滞りなくMNPを進めるために、事前準備を早めにして頂く事をお勧めするものです。

 

更新月を把握しよう~4カ月前なら早期乗換えがお得

 

まず、何より真っ先にすべき事、それは「更新月」の確認です。

大手キャリアでは、更新月に当たる2か月間でないと、解約金=いわゆる違約金なしには乗り換える事ができません。更新月以外の月にMNP転出(つまり解約)してしまうと、9,500円もの解約金を請求されてしまいます。そんな金額を無駄に支払うなら、上手に乗換え時期を決める事でその分を端末代にでも充てた方が賢明です。

 

更新日までの期間が4カ月以上ある場合

もし更新月まで4カ月以上ある…と言う場合は直ぐにでも乗り換えた方がお得です。

なぜなら、大手キャリアと格安SIM・MVNOの料金差は、少なく見積もっても3,000~4,000円はありますので、3~4カ月の料金差があれば、解約金9,500円を上回ってしまうからです。

更新月以外での乗換えですので、解約金9,500円が請求されてしまいますが、毎月の料金が3,000円少なくなれば、3カ月で9,000円、4カ月で12,000円が浮く計算になりますので、早く乗り換えた方がお得という訳です。

 

ただし、24回分割で端末を購入して「購入サポート(割引)」を受けている場合には、MNPにより毎月の割引額が消滅しますので、割引が付かない額の端末残債が請求されますので注意が必要です。

MVNOに乗り換える事で想定される節減額と、解約金や端末残債等をよく見比べて、MNP実行のタイミングを決める必要があります。

 

一方、更新月まで3カ月以内という方は、更新月まで少し待った方がお得になります。毎月の料金差の合計が解約金額を上回らないためです。

 

乗換え先の新しい通信会社が決まったら、現在との料金差から解約金を上回るのに何カ月かかるかを想定し、更新月がその想定月数を上回っていればすぐにMNPした方がお得ですし、端末残債がある場合にはMNPによる端末割引の消滅も含めMNPのタイミングを検討すべきです。想定月数より更新月までの期間が短ければ更新月を待った方がお得という事になります。

 

また2か月間ある「更新月」ですが、MNPを行うなら初めの1か月目の手続きがお勧めです。

2か月目でも解約金はかかりませんが、割高な大手キャリアの料金を1か月分多く支払う事になりますので、数千円の差かもしれませんが、1か月目での手続きが余計なコストを支出しないという点でお勧めです。

 

≪NTTドコモ≫

NTTドコモの更新月の区切りは「月末」です。

月が替わって1日になると翌月分の料金が1か月分課金されますので、MNP完了が月を超えないよう注意します。また、更新月の2か月目を超えてしまうと、解約金なしの乗換えができなくなります。

 

≪au≫

auの更新日も「月末」です。

月が替わると翌月分の料金が課金されます。更新月は2か月間ありますが、MNP手続きの完了が3か月目にずれ込むと解約金が発生しますので注意が必要です。

 

≪Softbank≫

Softbankの更新日は10日・20日・月末と3パターンあって契約ごとに異なりますので、ご自身の契約を確認して更新日を把握する事が重要です。解約金なしで乗換え可能なのは、更新日から2か月後の10日までで、3か月目の11日以降の乗換えには解約金が発生します。

 

更新月を確認し、MNPを実行するタイミングを定めたら、以下の準備を速やかに開始します。

ちなみに、「MNP予約番号」の発行は一番最後の準備になります。予約番号の取得が早すぎて、他の準備が間に合わず期限切れとなってしまう場合もありますので、先に予約番号取得以外の準備を進めてください。

 

端末を25カ月以上使用している場合は割引は消滅!

余談ですが、端末購入から25か月目以降の課金内容をチェックした事がありますか?

実は、この事は意外に気づいていない方が多い盲点なのですが、同じ端末を25カ月以上使用している場合には、すでに端末割引が付いていないのですが、気づいていない方が多いようです。

料金の請求は24か月までとほとんど変化がないので気づきにくいのですが、24か月目までは、端末代金+割引が請求されますが、25か月目以降は端末代金は無くなっています(完済)が、割引もなくなっているので支払額は大差ないものの、お得感は全くない請求内容となっている場合があります。

MVNOへの乗換えをするか、しないかとは別に、お得でない契約になっている可能性が高いので、ぜひ25か月目以降の請求内容をチェックしてみてください。

 

料金の支払い方法を確認しておく

 

http://www.uqwimax.jp/

乗換え先の新しい通信会社の料金や端末購入代金の支払い方法を確認します。

と言うのも、格安SIM・MVNOは支払方法を大手キャリアほど豊富に用意しておらず、クレジットカード決済しか提供していない事業者が多くいため、クレジットカードを持っていない場合には契約できないというケースが少なからず発生します。

自分名義のクレジットカードをお持ちでない場合には、口座振替での支払いが可能な通信会社、または家族のクレジットカードでの支払いが可能な通信会社を探すか、あるいは事前に自分名義の家族カードの発行をしておくか…等々、利用したいMVNOの支払い方法の規定に合わせた手段の確保が重要です。

 

もちろん、プラン内容や料金額、購入できる端末等も重要な選択理由ですが、そもそも支払いが可能でなければどんなメリットも利用する事はできませんので、まずは乗り換えたいと思う通信会社の料金支払い方法を確認し、所定の支払方法で支払いが可能かどうかをチェックしておきましょう。

 

口座振替を希望する場合

口座振替での料金支払いが可能なMVNOは、少しずつ増えてはいますが、まだあまり多くありません。

口座振替を希望で、乗換え先の通信会社で利用可能であれば、必要な手続き方法を把握して必要な書類等を事前に用意しておきます。特に身分証明書は写真入りの証明書以外は補助書類が必要な場合があるので、注意が必要です。

 

家族名義での支払いが可能な場合

こちらも対応しているMVNOはあまり多くありませんが、一部で一定の条件付き、あるいは家族である事を証明する事で家族名義での支払いが可能になるケースがあります。

各通信会社のWEBや店舗、サポートなどで事前に確認しておく必要があります。

 

家族カードを発行しておく

多くのMVNOでは支払方法が本人名義のクレジットカードのみという場合が多いですが、家族に支払って貰う方法として、クレジットカードの家族カードで契約する方法があります。

家族カードは、本来の契約者と同居の親族に対して、利用者する家族の名義で発行されますので、MVNOの「本人名義のクレジットカード」という規定をクリアする事ができます。

家族カードが発行されるまでに1か月近い期間が必要な場合がありますので、早めに申込む必要があります。

 

また、家族カードと似ていますが別の方法もあります。

本人契約のクレジットカードで、支払者を家族に指定する事ができるカードもあります。

これは家族カードではなく、契約者本人としてクレジットカードを発行しますが、支払者に家族の口座を指定する事で、名義は本人、支払者は家族というカードを持つことができます。

詳細はクレジットカード会社に確認するようにしてください。

 

身分証明書の準備

 

MVNOと契約する場合、身分証明書が必要な場合と、必要でない場合があります。

通話(電話)機能のないデータ通信専用SIMの契約の場合には原則、身分証明書の提出は必要ありません。

ただし、データ専用SIMの契約の場合には電話番号がありませんので、MNPではなく新規契約となります。

 

通話機能のある「通話SIM」の契約の場合には、各社が定める身分証明書の提出が必要となります。

運転免許証やパスポートなど、顔写真付きの証明書の場合には、記載の住所や氏名等に変更がない限り、そのままで問題ありませんが、転居した場合や婚姻などで、記載事項に変更がある場合には、所定の補助書類が必要になります。

運転免許証は、正しい住所や氏名を警察署で裏書きしてあれば、それで大丈夫です。

免許証は、記載があってもなくても、表裏両面の提出が必要です。

 

顔写真のない証明書の場合には、現住所が確認できる補助書類が必要となります。

具体例としては、現住所と氏名が記載された公共料金の領収書等ですが、支払ったら捨ててしまう…と言う方は、次の支払日に領収書が発行されるまで乗換えも待たなければならず、そういう事まで考え合わせると、乗換えには意外と時間がかかるものなのです。

 

MVNOの場合、身分証明書の提出はスマーフォンで撮影した画像を送信する事で行います(コピーを郵送する必要はありません)。

・身分証明書の全面が写っていること(一部が切れてしまってはNG)

・表面だけでなく、記載がなくても裏面も撮影して提出すること

・影や手指などが写り込んでいないこと(遠目からアップで撮ると影は写りにくくなります)

・手ブレ等で記載された文字が読めない状態でないこと

 

メールアドレスの準備

 

メールアドレスは、通信会社から貰えるもの…と思っていませんか?

大手キャリアでは、docomo.ne.jpやezweb.ne,jp等のキャリアドメインのメールアドレスを使う事ができ、アカウントは自分で自由に設定する事ができます。

しかし、メールアドレスを無償で使わせてくれるMVNOはありません。月額数百円の有償で提供しているMVNOもごく僅かのため、多くのユーザーは「Gmail」や「Yahoo!メール」などのフリーメールを利用しています。

 

これまでキャリアメールしか使わず、「Gmail」や「Yahoo!メール」アドレスをお持ちでない方は、MVNOとの契約時にも必要ですので、事前にメールを使えるようにしておく必要があります。

 

≪PCメール受信拒否で音信不通にならないために≫

キャリアメールを使っている方の多くは迷惑メール対策のために、PCメールを受信拒否に設定しています。

大手キャリアからMVNOに乗り換えて、「Gmail」や「Yahoo!メール」のメールアドレスを使用する場合には、受信拒否の対象となってしまうため連絡が取れなくなってしまう恐れがあります。

MNP実行前のまだキャリアメールが使えるうちに、「このアドレスを受信許可設定してください」等と知らせておく事で、乗換え後も「Gmail」や「Yahoo!メール」でのメールのやり取りが可能となります。

ちょっとした小技ですが、すると、しないとでは大きな違いがありますので覚えておくとよいでしょう。

 

スマホ端末の準備

 

http://www.uqwimax.jp/shop_m/

 

MVNO乗換え後に使用するスマホ端末には、いくつかパターンがあります。

  1. 新たに購入する場合1・・・SIMフリー端末を購入
  2. 新たに購入する場合2・・・MVNOで契約時にセット購入
  3. 現在使用中の端末をそのまま利用する1・・・SIMロック解除可能
  4. 現在使用中の端末をそのまま利用する2・・・SIMロック解除不可

 

1.新たに購入する場合

MVNO乗換えのタイミングで、スマホ端末を新たに購入する場合は2パターンが考えられます。

 

1つはSIMフリーを通信会社の契約とは別に、自分で用意する(購入・譲渡など)。

この場合は、新品iPhoneであればAppleStoreでの購入になりますし、中古端末であれば専門店やオークション等で購入する事ができます。iPhoneの場合にはキャリアが使用する通信帯域を全てカバーしているので、通信回線によって端末の使える・使えないはありません。

Androidスマホの場合はAmazon等で新品端末が購入出来ますし、専門店・オークション等で中古端末が購入できるのは同じですが、少し前までのHuawei製スマホはau回線で使用できないなど、回線によって使える・使えないがありますので、購入時に注意が必要です。

 

もう1つのパターンは、MVNOと契約する際にスマホ端末を同時に購入し、端末代金と通信料金を合算で支払う方法です。

多くのMVNOではAndroidスマホの人気端末を24回の分割払いで購入する事ができますが、キャリアのように大幅な値引きはありません。UQmobileやBIGLOBEモバイルのような大手キャリアのグループ会社のMVNOでは国内版新品のiPhoneを購入する事ができます。最新モデルではありませんが性能・機能的には十分に実用的なiPhone6sやiPhoneSE等が大幅な購入サポート付きでお得に購入できます。

また、一部のMVNOでは海外版メーカー認定整備品(CPO)iPhoneを購入できる場合があります。

 

2.現在使用中の端末をそのまま利用する場合

MVNOに乗り換えても、現在使用しているスマホ端末をそのまま利用する事も可能です。

 

1つ目の継続利用のパターンは、端末のSIMロック解除が可能な場合です。

2015年5月以降に発売された端末は、端末代金の未払い等がない場合には原則的にSIMロックを解除できますので、キャリア回線を超えてどのMVNOでも自由に選択する事が可能です。

例えばドコモで購入した端末でも、SIMロック解除すればauでもSoftbankでも使用可能になります。

 

継続利用の2つ目は、SIMロック解除ができない場合です。

2015年4月までに発売となった端末は各キャリアともSIMロック解除を受け付けませんので、SIMロックされたままで使用可能なMVNOを利用する事になります。

 

≪NTTドコモ端末の場合≫

ドコモで購入した端末は、ドコモ回線を使用するMVNOであればどこでもそのまま利用可能です。

Android端末でも、iPhoneでもいずれもMVNO各社で利用可能です。

au回線・Softbank回線を使用するMVNOでは利用できません。

 

≪au端末の場合≫

au回線の場合は、通話に4Gを使う機種(VoLTE対応)機種か否かで異なります。

au VoLTE対応端末の場合は、同じau回線のMVNOであってもSIMロック解除が必要です。

VoLTE非対応の端末の場合は、SIMロックしたままで利用可能となります。

さらに、2017年8月以降に発売の端末では、VoLTE対応端末であってもSIMロック解除は不要でau回線MVNOで利用できるようになりました。

また、auはMVNOに対して3Gでのデータ通信サービスを提供していないため、iPhone4s以前の4GLTE非対応(3G通信専用モデル)はau回線MVNOでは使用できません。

 

≪Softbank端末の場合≫

Softbankは、Softbank回線を使用するMVNOはまだ3社しかありませんが、その全てでSoftbank版のiPhoneのみSIMロック解除不要で利用可能ですが4GLTE対応のiPhone5以降のモデルのみとなります。Android端末は正式には未対応となります。

 

ちなみに、Softbankのサブブランド(第2の通信サービス名)であるY!mobileでは、Softbank版のスマホを使う場合には、全てSIMロック解除が必要です。

 

MNP予約番号の取得

ここまでの事前準備ができたら、いよいよ「MNP予約番号」を取得します。

各通信会社のSHOPや、専用電話で「予約番号」を取得する事ができます。

 

キャリア各社のMNP番号取得は、以下に電話し「MNP予約番号をください」と申請します。

≪NTTドコモ≫

TEL:151 または 0120-800-000

9:00~20:00

 

≪au≫

TEL:0077-75470

9:00~20:00

 

≪Softbank≫

TEL:*5533 または0800-100-5533

9:00~20:00

 

≪Y!mobile≫

TEL:116 または0120-921-156

9:00~20:00

 

「MNP取得番号」には有効期限があり、発行から15日間しか使う事ができませんので、15日以内にMNPの手続きが完了しない場合には無効になってしまいます。

もちろん予約番号の再発行は可能で、もし15日以内にMNPが完了できない場合には再発行してやり直す事もできますが、ギリギリのタイミングで手続きを進めている場合、更新月内に完了できない…といった事も起こり得ます。予約番号は再発行できても、更新月は延長できませんので違解約金が発生するケースがあります。

 

また、MVNO側から「MNP予約番号」の有効期限日数残の指定がある場合があります。

例えばUQmobileの場合には、「MNP予約番号の発行から2日以内」に申込むよう案内されています。

 

MNと事前準備 まとめ

これは実際にあったお話しなのですが、更新月2か月目の残り2週間というタイミングでMNP手続きを開始したものの、想定していたよりクレジットカードの発行が遅れたため、15日間の「MNP予約番号」の有効期限が切れてしまった上、再発行して手続きのやり直しをしている最中に2か月間の更新月が終わってしまった方を知っています。その方は、更新月が過ぎてしまってからのMNP完了となり、解約金を請求されてしまいました。

 

MNPは、全ての手続きが完了し、新たなSIMや端末が手元に届いたタイミング、もしくは最初の通信を行ったタイミングで完了となるため、宅配便を受け取れなかったために予約番号の期限が切れてしまう場合もありますので、想定外に時間を取られないためにも事前準備を早め早めに進める事を強くお勧め致します。

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